ごきげんよう、CubanCigarの片岡です。

明日の午前中にキューバへ出発…という状況で、今この文章を書いています。出発準備のスーツケースはまだ空っぽの状況で、今晩一気に準備をしますが、これも実は毎回のことだったりします。こう書くと、なにやら私がたいそう段取り悪い人間のようにも聞こえますが、違います。“きっと、とても忙しいのだろう”と推察していただければ幸いです。

さて、年に2〜3回のペースでキューバへ買い付けに行っていますが、こうして定期的に足を運んでいると、ゆっくりとしたペースながらも徐々に変化を見せるキューバを感じることがあります。 葉巻の買い付けに限って言えば、レアシガー、熟成期間の長いシガーの発掘が難しくなりました。毎回見つけては買って帰るので、これはいた仕方のないことかもしれません。限りある資源を掘り尽くしたのか？と思ったりしますが、行けば行ったでチョロチョロ出てきたりするのが分からないところです。

キューバ人も変わってきた面があります。一つは「お金を稼ぎたい！」という意欲が、以前にも増して強くなってきている気がします。こう言うとなにやら貪欲で良くない印象に聞こえるかもしれませんが、我々とは元々のベースが違います。共産主義でやってきていたお国柄ですので、徐々に資本主義的思考が浸透しつつあるような印象です。

そのような時代変化の中でも、これからも変わってほしくないものがあります。それが葉巻の作り方です。今回もロバイナ農園を訪問予定ですが、ピナール・デル・リオまで足を伸ばすと、未だに馬車で移動する人、裸馬にまたがり颯爽と走る少年、牛で畑を耕している人々など、キューバ葉巻生産の原風景が今もそこにはあります。農薬を使わず、化成肥料も使わず植物を育てる。これこそがキューバ産葉巻の最上の風味を生み出す、大きな理由の一つだろうと思います。
近い将来、この風景にもワールドスタンダードの潮流が押し寄せてしまうのか、それはまだ誰にも分かりません。しかしその時には、少なからずキューバ産の葉巻にも何らかの変化がおこるでしょう。

いつまでも変わらないキューバを望むのは我々のエゴかもしれませんが、それでも、キューバ産葉巻だけは、これからもずっと至福の時間をわれわれに分け与えてくれると良いなと思います。
今回も良い葉巻を買い付けてきたいと思います。楽しみにお待ちください。

Cigar Aficionado/Cigar Insiderレーティング

Cigar Aficionado は、アメリカで発行されている世界で最も読者の多い、葉巻専門情報誌です。（Insiderは、そのウェブ版マガジンです。）

今回はそのCigar Insider 2014年7月号からご紹介します。

コイーバ　ピラミデ エクストラ　 4,900円

巻きムラのあるたばこに、フットの燃えは曲がり、タイトなドロー。ナッテーなバニラ風味に刺激のある柑橘風味です。しかし巻きのせいでスコアーに響きます。

コイーバ　シグロVI　 4,000円

トースティーでナッティー、明確なカシューナッツキャラクターで、スパイシーシダー風味が終わりに現れます。多くの魅力を持ったバランスのとれた葉巻です。

コイーバ　シグロ III　 2,800円

トースティーでウッディーなスモーク。ナツメグとシナモン風味。甘みのあるシュガーコーティングアーモンドに少量のコショウの実の風味。味わい深い葉巻です。

コイーバ　シグロ IV　 3,100円

しっかりと巻かれ、複雑なたばこ葉の印象を与える葉巻です。アーシーで黒トリュフ、焼き栗とレザー風味が舌の上に広がります。

コイーバ　シグロV　 3,700円

魅力的なロンズディール。ウッディーでスパイシーな風味の前に、甘くソルティーな風味がします。ピーカンナッツ(クルミに近い味)とアーシーな風味が終盤に現れます。

コイーバ　シグロ II　 2,500円

このペティコロナは、ザラザラした見た目のラッパーです。主にアーシーなスモークで、やがて甘いアーモンド風味の終わりを迎えます。

コイーバ　シグロ I　 1,900円

ソルティーでアーシーなトレペティコロナで、オレンジピールの風味。やがてウッディーでチョコレートの風味もあらわれますが、タイトなドローがスコアーに響きます。