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CubanCigarスタッフ西村です。 暑さの厳しい夏となっていますが、皆様いかがお過ごしでしょうか?
先月7月28日にYouTubeライブ配信、「ニカラグア渡航報告会」スペシャルを開催しました。 ニカラグアは、新たな美味しいノンキューバ葉巻をつくり出すことを目的に渡航したのですが、そもそもニカラグアとはどのような国なのか?と思われる方も多いのではないでしょうか。
今回は、このライブ配信の中でオーナー片岡が語ったニカラグア渡航エピソードから、特徴的だった内容を皆さまにご紹介したいと思います。
【ニカラグアの位置、首都】 ・太平洋とカリブ海に挟まれた中米にありメキシコとパナマの中間付近。北緯20度付近のキューバよりも赤道に近く、北緯10度付近。
・ニカラグアの首都はマナグア。国際空港は唯一、このマナグアのみ。
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【ニカラグアまでの移動】 ・地元、北九州からニカラグアの地方都市エステリまで、移動総時間は片道48時間。往復で4日間かかる。とにかく遠い。
・今回はアメリカ ヒューストン(テキサス州)で乗り換え。アメリカ国内で2都市乗り換えのフライトルートもある。
・ヒューストンでのトランジットは、往路19時間、復路17時間で 空港待機は長すぎるためストップオーバー、エアポート付近でホテル泊した翌日、ニカラグアに向かった。
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【ニカラグアの交通】 ・マナグアの空港でレンタカーを借り、国道1号線を北上してエステリまで約3時間。やたらデカいフルトレーラーが多いと思ったら、国道1号はパンアメリカンハイウェーで、北米~中米の物流大動脈だった。でも片側一車線、危険な追い越しが当たり前の危険な世界。クランデスティノスの仕入れ元の友人からは「運転しない方が良い」と言われた。
・地方部で見たバス(アメリカのスクールバスの中古)では、何と屋根の上に数十人も乗っており、流石にこれはキューバでも見たことがない。
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・地方部ではバイクも主要な移動手段のようで数が多い。大半がノーヘルなあたり、発展途上国感を感じる。
・地方部ではタクシーもあまり走っておらず、バイクタクシーが主流のよう。何故か客席がバイクの前方にあるため、事故ったら客が真っ先にぶつかるシステム。恐ろしくてあんなのには乗れない。
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【食事】 ・基本的にキューバとあまり変わらない内容で、パサパサ気味のインディカ米に、チキンソテーとサラダが基本といった感じ。食べられなくはないが、これが続くと日本人には厳しい。
・滞在したエステリには、もちろん日本料理の店などない。
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【葉巻工場】
・エステリには大小合わせて約200もの葉巻工場があるとのこと。確かに町中を移動していると、そこここに葉巻工場がある。私が訪問した工場は全て、プレミアムシガーをオールハンドメイドで巻いていた。
・渡航前にアポを取り複数の葉巻工場にサンプルを巻いてもらっていた。オーダーは「キューバ産葉巻に近いプロファイルの葉巻」
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・ラッパーがツートンカラーの葉巻をあちこちの工場で巻いている。どう思う?と聞かれたので「好きじゃない」と答えると、その葉巻工場のオーナー(キューバ人)も「自分も好きじゃない」との答え。しかしニーズがあるので巻いているようだ。
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・フィラーの巻き方がキューバとは異なり、ロール方式。キューバは蛇腹にたたむブック方式。キューバ式の方がドローが悪くなりにくい。フットの断面を見ると違いが分かる。
・大半の工場で、ローリングマシン(手巻きタバコのローラーの大型版)を使用している。元エル・ラギート工場のマスタートルセドールの友人曰く、「効率的で良い方法だと思う」とのこと。
・葉巻は男女がペアになって巻くのが基本。男性がバインダーまで巻いてバンチまでを作り、女性がラッパーを巻いて仕上げる。男女のペアは、あくまで仕事だけの関係とのこと。
・ドローマスター(吸い込み抵抗を計測する機械)を使用している工場も複数あった。使用していない工場の葉巻は、やはりドロー不良が混じっている。ドロー不良葉巻は重いので、吸う前にだいたい分かる。
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【タバコ葉倉庫】 ・タバコ葉選別のため、タバコ葉倉庫に行って美味しい葉の選定を試みた。
・エステリ、コンデガ、ハラッパという3つの地区でタバコ葉が栽培されており、それぞれに風味の傾向が異なる。
・倉庫の中は一次発酵が完了していないタバコ葉のアンモニアが強烈で、マスクなしでは居られないほど。(後に慣れると平気になった)これはキューバのタバコ葉一次発酵工場での経験とほぼ同じ。ちなみにここエステリのタバコ葉倉庫で働いている人はマスクをしていない。慣れとは恐ろしい。
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【試作サンプル葉巻のテイスティング】 ・渡航前に4つの葉巻工場とアポを取っていたが、そのうち1つは先方の都合でキャンセル(急な葬儀とのこと)。
・ニカラグアは公用語がスペイン語(私はしゃべれない)なので、前もって英語通訳者をお願いしておいた。
・3つの工場で試作サンプル葉巻を吸って、評価を伝える。これの繰り返し。やはりノンキューバ産の特徴が強く出ている葉巻が多く、合格点を出せる葉巻はほぼ皆無という結果。
・全体にキューバ近似度2.5~3.0、良くて3.5で、心地よさの足を引っぱる風味がどれも気になる。(人工甘味料、石けん香、タンニンの強さ、青草っぽい風味、スパイシーさなど)キューバ産葉巻のレベルの高さを改めて思い知る。
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・約1週間、これの繰り返し。テイスティング後に問題点を説明し、翌日新たなブレンドをテスト。アフィショナードレビュー点数で言うと84~87点の葉巻といった感じなので、味覚と嗅覚がおかしくなりそうだった。しかし20年以上キューバ産ばかり吸ってきた経験から、評価基準が狂うことは無かった。
・巻きたてを吸うので、1ヶ月寝かせたものとは異なるコンディションのため、そもそもテイスティングが難しかった。
・最終的には、各工場で最も良かったブレンドの葉巻を持ち帰り、2週間~1ヶ月寝かせてから再度テイスティングすることに。
【葉巻の外箱ボックス工場】 ・葉巻ボックス工場にも行った。木粉舞う埃っぽい工場だったが、完成したボックスの品質は意外にも高かった。
・エステリにはリングを作成する工場もあるとのこと。葉巻産業がエステリで完結している。
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…さて、いかがだったでしょうか?
ご興味ある方は、アーカイブも公開しておりますので、そちらをご覧ください。(約3時間と長いのでラジオ感覚で)
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当日のライブ配信中は、視聴者の皆さまから様々な質問をいただき、ニカラグアの葉巻事情について大いに関心をお持ちのようでした。
今回のテーマはかなり特殊でしたが、普段のオンラインシガーミーティングでは「葉巻が好き」な皆様にとって興味深い、葉巻にまつわる色々な話題について、コメント機能で質問や会話されています。まずは気軽にご視聴いただくだけでも、充分にお楽しみいただけると思いますよ。
ちなみに今月は、8月25日(金)20時からスタートです!多くの皆さまのご参加をお待ちしております。
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