視察結果として、この葉巻ボックス工場でのドレスボックス製造は難しいとの判断に至ったのですが、その一方で制作の自由度の範囲もある程度把握出来たため、その点では意味のある訪問となりました。次にリリース予定の新ブランドのボックスの基本仕様がほぼ固まったのも、訪問の成果だったと考えています。
そして今回、渡航の一番の目的と考えていたのが、新たなブレンドの開発作業です。このブレンドは、2023年7月に開発スタートしており、幾度もブレンド改良を試みてきたのですが、メディア・ルエダに肩を並べるプロファイルを合格ラインと定めているブランドのため、製品化の品質確保水準への到達が非常に困難で、開発スタートから1年半が経過しました。
前回2024年6月のニカラグア渡航の際、ブレンド候補のタバコ葉を複数持ち帰り、今回の渡航前に合格ラインのブレンド案を絞り込んではいたのです。事実、エステリの初日午前中には、このブレンド案に基づくサンプル作成を工場にて行ったのです。
しかし、2つの理由からこのブレンド案は頓挫します。
一つは、現地初日のサンプル作成で、葉巻工場に在庫がなかったバインダーをハバノバインダーで代用したところ、明らかに合格ラインを下回ってしまったこと。当初想定のバインダーを手に入れサンプル作成する必要があると考えていたところ、新たな致命的問題が発生します。それは、このブレンドに使用した3種類のフィラーの内1種類が、今年は購入できないことが判明したことでした。これは全く想定していなかった致命的な問題でした。
結局ブレンド開発は、2024年6月渡航の際と同じく、ブレンド候補タバコ葉探しから再スタートとなったのでした。これには丸二日かかり、現地6日間しかないスケジュールを想定外に圧迫しました。