次にオーナー片岡から、葉巻の熟成について、熟成とは何か、熟成している葉巻の特徴、自宅での保管方法、うまく熟成させるポイントなどを、視聴者の皆様から頂いたご質問にお答えしつつご紹介いたしました。
この中で「熟成した葉巻の香りがどんな香りか」という話題になり、ご視聴の皆様から「遠くにある養鶏場の香り」や「牧場の匂いが近い気がしますね」などのコメントをいただき、オーナー片岡も「あー確かに!」というやり取りがあったりなど、スタッフ間だけでなく、視聴者の皆様との葉巻談議も大いに盛り上がりました。
さて、ここからは、視聴者の方から頂いたご質問とオーナー片岡の回答を併せてQ&A方式でご紹介いたします。
Q1.この時期は(11月中旬)エアコンは気温何度設定にしていますか?
A.大体21℃~22℃です。
Q2.一瞬でも高湿度(80%以上)になると、味は取り戻せないものでしょうか?
A.一瞬であれば特に問題はないでしょう。葉巻はデリケートですが、「デリケートすぎて味や香りがすぐにダメになってしまう」というものでもありません。しかし、過加湿の状態で長い間放置をしてしまうと、「調湿をしても味も香りも何もしなくなった」経験があるので、「過加湿の状態で放置」というのは避けた方が良いです。一方で「乾燥」の方は、乾燥状態が続くとラッパーが割れ、喫煙が困難になりますが、時間をかけて調湿を行えば「風味がダメになる」ということは経験上ありません。ですが、乾燥した葉巻は調湿後ラッパーの伸縮性が落ちて割れやすくなっているので注意が必要です。
Q3.オートマチック湿度調整剤をヒュミドールに入れたら、外気温は、あまり気にしなくても大丈夫ですか?
A.多少は気にした方が良いとは思いますが、室温であればそれほど気にする必要はないかと思います。
Q4.湿度はボベダでなんとかなりますが、温度は高くなっても大丈夫なのでしょうか?(自宅保管)
A.夏場にエアコンをつけていない部屋に葉巻を保管していると、(室内温度)30℃以上になる場合がありますが、カビにさえ注意していれば温度が高いことに関しては経験上特に問題はありません。
むしろ「温度が高い方が熟成のスピードが速いのでは?」と感じます。逆に真冬の1桁台の室温では、一冬越しても「全然熟成進んでない」印象です。
相対湿度69%前後、室温5℃~30℃の範囲であれば大きな問題はないと思われます。ただし高温の場合、カビ発生の可能性はあります。白カビは拭き取れば問題ありませんが、青カビが発生すると吸えなくなってしまいますので、その点は注意が必要です。
自宅保管であれば、カビの発生に注意をしていれば、温度はそこまで神経質にならなくて良いでしょう。
Q5.寒いと(葉巻の)味は落ちるものでしょうか?
A.冷たくなってしまった葉巻でも、着火部は数百℃になるので、あまり関係ないと思います。
Q6.ご紹介のボヘダ(オートマチック湿度調整剤)とバッグタイプのジップロックで管理しているのですが、オーソドックスな方法なのでしょうか?やはり専用のヒュミバッグ?を使用した方が確実でしょうか。
A.その方法で問題ありません。ただ、ジップロックタイプの袋は、ジッパー部の密閉性だけでなく、ビニール自体が防湿性素材(湿度を通さない)のものとそうでないものがあり、防湿性のないタイプは湿度が逃げてしまい、徐々に乾燥していきます。当店で販売している葉巻保管専用のポータブルヒュミドールバックは、袋自体が防湿性素材のものです。もしネット等でジップロック袋を探される際には「防湿性」というキーワードで調べてみてください。
Q7.葉巻を包んでいるセロファンは保湿性あるのですか?
A.保湿性は全くありません。パルタガスのチコスなどをそのまま部屋に転がしておくと分かりますが、セロファン内の葉巻がバリバリになります。セロファンは吸湿性の高い素材で湿気を通すので、保湿性はありません。
Q8.ヒュミドール内に仕切りを付けて、二つ湿度計を入れてみたら湿度にムラがありました。仕切りをとって混ぜ混ぜしてみたのですが、ヒュミドール内の葉巻の配置の入れ替はやはり必要でしょうか?必要な場合、どれくらいの頻度で配置替えした方が良いでしょう??
A.私の個人的な経験則からいうと、あまり気にしなくていいと思います。
確かにヒュミドール内での湿度ムラというのは多少あり、当店のウォークインヒュミドールくらいの広さ(約7帖)ですと、湿度ムラがはっきりと出ますが、ご自宅用のヒュミドールくらいのサイズだと、湿度ムラはそこまで大きくないと思います。
湿度ムラが大きい場合は、湿度計の誤差の可能性がありますので、湿度計の位置を入れ替える、または両方を片側に置いてみる等をすると、湿度計の表示のずれが確認されるかもしれません。
また、葉巻の配置替え作業をすると、蓋を開ける際に湿気を逃がしてしまい、返って湿度変化が大きくなってしまいますので、葉巻の出し入れの必要がないなら、あまり蓋を開けないほうが良いですね。
いかがでしたでしょうか? 今回もたくさん方にご視聴いただき、ご紹介したQ&A以外にも質問のコメントを多数いただきました。そして、葉巻の管理や熟成の配信の後は、引き続きシガーミーティングを行いました。
毎回、視聴者の皆様から大変好評いただいているシガーミーティングですが、今回はいつにも増して内容が濃く、特に盛り上がった回となったのではないかと思います。
今回ご紹介したYouTubeライブの映像は、下記のURLからご覧いただけますので、ご興味のある方はぜひご覧ください。
●「葉巻の管理や熟成などの疑問にお答えします!」(11月17日配信分)