シガーのリングは外すもの?
「シガーのリングは、いつ外すもの?」
お客様からこう聞かれると、私は「お好きなときに外してください。」と答える。
ただ一般論としては、半分以上葉巻を吸ってから取った方が、ラッパーを傷める可能性が低くなると言われている。リングがラッパーとくっついている場合、糊が温められて剥がれやすくなるという理由からだ。しかし実際は、ラッパーとリングが貼り付いていることは希なので、最初に取ってしまっても構わないと思う。
私は、葉巻の種類により様々にデザインが施された美しいリングを眺めるのも楽しいので、火がリングに近づいてくるまでそのままにしている。そして近づいてきた火がリングを焦がす前に剥がす。そしてリングの糊付けされているところが綺麗に剥がれると、何故か少し嬉しくなるのである。
先日 一ヶ月程度だけ寝かせてあったポールララニャガ ペティーコロナスを燻らせた時、(自分の体調や直前の食事等も たまたま相性が良かったのかも知れないですが)いつものペティーコロナスより数段うまく感じたので「コレは当たりだ!コイツは指で持てる限界まで燻らせてみよう」と思い
半分ぐらい燻らせて「さあシガーリングを外そう」と思ったら・・・全く剥がれない・・・(泣)仕方なくリングの端が焦げるギリギリまで燻らせて諦めました(笑)
リングの始まりは1730年頃ロシアの女帝カテリーナが葉巻を持つ指がヤニで染まるのを避ける為に巻いたのだと何かの記事で見た事があります。
そうゆう意味では「あのリングはいい仕事をしたな」と褒めてやるべきでしょうか・・・(泣笑)
それにしてもカテリーナさん・・・ 「指がヤニで染まる」って、どれだけ愛煙家だったんでしょうね・・・
当時の葉巻は今ほど綺麗なラッパーで包まれていなかったんでしょうか?
リングが剥がれませんでしたか…。ラッパーに貼り付いてしまっていたんでしょうか?
せっかくのフィンガートーストシガーかもしれなかったのに、残念でしたね。
「こだわりのシガー/ネコパブリッシング」によれば、商業用葉巻にリングを初めて導入したのは、オランダ人のグスタフ・ボックだそうです。ボックは最も初期にハバナ・シガー産業に関わったヨーロッパ人の一人で、彼がリングの採用を思いついたのは、シガー・ボックスとラベルの登場からしばらくのちのことと言われているそうです。
当時のシガーのラッパー、いったいどんな感じだったんでしょうね。
シャーロック・ホームズは「高名の依頼人」という話の中で
「イギリスの社交界に受け入れられたいなら、葉巻に火をつける前に、ラベルをとることだな。
(ラベルを取らないと)ゲスな男として排斥されるぞ”」
と、言っています
興味深い情報をいただき、ありがとうございます。
イギリスは格式を重んじるので、シガースモーキングにおいても過去には諸々の作法があったようですね。シガーリング誕生の由来は、①装飾デザインによる他メーカーとの差別化、②スモーキング用白手袋が汚れることへの対策、など諸説あるようです。