シガーのカットは何カット?
私が初めてシガーを吸ったとき、シガーをカットしてくれたのはシガーバーのバーテンダーだった。私は幸運にもファーストシガーがコイーバロブストだったのだが、その太いシガーを左手に持ち、ミニサイズのギロチンのような道具で葉巻の吸い口をカットしてくれた。
あれはどんな切り口だったかもう覚えていないが、少なくとも葉の切りかすが口に入ってきたような記憶はない。
次にシガーをカットしたのは、タバコ屋で買った500円程度のダブルブレードカッターで、自分で葉巻をカットしたときのことだ。今となっては切れ味を期待するのは酷なカッターだと解っているが、その当時は見事な切れ味を期待してカットしたところ、期待に反してボソボソのカット面になってしまい、実にガッカリしたものである。
そして今、私はほとんどのシガーをパンチカッターでカットする。ダブルブレードでカットするのが初カット以来トラウマになっているという訳ではなく、パンチカットの方がヘッドの丸みが残るためシガーを咥えたときに口当たりが良いのだ。こればかりは、ジノやダビドフの切れるダブルブレードカッターでカットした吸い口よりも、心地よい口当たりの感覚だと私は思う。
キューバ産シガーブランド「Vegas Robaina」の名前でも知られる、ベガス・ロバイナ農園のアレハンドロ・ロバイナ氏曰く…、葉巻のヘッドの丸みを帯びた部分は、シガーを作る工程の中でも重要なものなのに、それをカッターで切り落としてしまうのは非常に切ない思いがする、だから私はパンチカッターでシガーを嗜むのだ…。
私は、この葉巻を愛してやまない温かい言葉を思い浮かべながら、今日も葉巻のヘッドをパンチするのである。
※当店取り扱いのシガーカッター
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