映画「チェ 28歳の革命」
先日、映画「チェ 28歳の革命」を見てきました。キューバ革命時のチェ・ゲバラを描いた映画です。テレビ予告をご覧になった方もおられるかもしません。
私はゲバラ信奉者というわけではありませんが昨年夏にキューバを訪れてみて、たばこ畑や葉巻を含めて、キューバそのものに強い関心を持ちました。そして、そのとき私の見たキューバは、約50年前の「キューバ革命」という歴史の分岐点の上に成り立っているという感覚を強く感じ、それ以来…「キューバ革命とは一体何だったのか?」という疑問が少なからずあったのです。
映画はゲバラの、時の異なる2つの時代が描かれています。ひとつは先にも述べたキューバ革命時(西暦1956~1959年)、そして1964年12月11日の国連総会における演説の記録フィルムです。
もしかするとこの映画は、キューバやキューバ革命に関心のない方は、あまり楽しめない映画かもしれません。と言うのも、ドラマチックにゲバラやキューバ革命を描かず、とても現実的な描写で綴られた映画だからです。ある意味、ドキュメンタリー映画の一面も持っていると思います。
ですが私は、最後の最後まで見入ってしまいました。理想と信念をストイックなまでに追い求めたゲバラの生き方に魅了されたのです。
映画の中で出てきた葉巻の話をしましょう。
ゲバラは喘息持ちでしたが、葉巻をこよなく愛していました。キューバの山岳地帯でゲリラ戦線を張っているときも常に葉巻を吸っており、オイルライターでシガーを炙って火を付けているシーンが何度か出てきました。
記録フィルムに見るゲバラの葉巻の持ち方は、指の間深くに葉巻を持ち、人差し指でしっかりと葉巻を巻き込むスタイルで、あのカリスマ的風貌を持つゲバラに良く合っているのが印象的でした。ちなみに私も葉巻の持ち方は同じスタイルだったので、思わずニヤリとしたのでした。
この映画を見終わって映画館を後にして最初に私がしたことは何か、それは葉巻をカットしてフットに火を付けたことです。この映画を見ていると、無性に葉巻が吸いたくなります。それはきっと、葉巻を薫らす煙に魅了された人間同士が感じる、言葉を超えた共通の感覚や喜び…、それが時代を超え、国を超えるからに他なりません。
私にゲバラのようなカリスマ性は全くありませんが、葉巻を愛する同じ人間として、やはり共鳴する部分があるのです。
もし機会があれば、同じ映画を見た方と、共にシガーを薫らしながら話がしてみたいものです。
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