キューバ旅行の基本情報 2013年12月版
キューバ旅行の際、役に立ちそうな最新情報をまとめてみました。
フライト
エアーカナダで【 成田 → カナダ トロント → キューバ ハバナ 】で行くルートと、経由地をメキシコのメキシコシティーで行くルートがある。
※ キューバで葉巻を買ってメキシコ経由で帰る場合、葉巻が50本を超えると476%(!)という、信じられないような総合税率が課税される。絶対にカナダ経由にすべき。
トロント経由の往路フライト
成田17:00 ─ AC2便 ─ トロント14:50(飛行時間11時間50分)
トロント16:20 ─ AC1748便 ─ ハバナ19:55(飛行時間3時間35分)
トロント乗り継ぎは1時間30分、過去に2度AC2便の遅れでハバナ行き便に乗れず、トロントに一泊となったことがある。トロント─ハバナ便は1日1便のため、24時間トロントで足止めとなる。
トロント経由の復路フライト
ハバナ7:25 ─ AC1749便 ─ トロント10:55(飛行時間3時間30分)
トロント12:00 ─ AC1便 ─ 成田15:10+1日(飛行時間13時間10分)
トロント乗り継ぎは1時間5分と、非常にタイト。ハバナ発AC1749便が遅れると、高確率でトロント一泊に。復路でも過去に2度トロント足止めになったことがある。
トロント一泊になった際のエアーカナダ対応
エアポートホテルのバウチャー発券、ミールクーポン(夕食15CAD、朝食7CAD、昼食10CAD)発券は無料で対応。
最低限のことはしてくれるが、不満な点は以下のとおり。
(1) 空港近くのホテルは周辺に何もなく、24時間近くホテル監禁状態に。
(2) トロント市街へ行くにはタクシーで片道55~60CAD、30~40分、気軽にはいけない。
(3) トロント市街のホテルを強く要望しても、絶対対応してくれない。
(4) 今回ブッキングされたホテルは、レストランなし。ルームサービスを注文すると、ケータリングされるらしいが、食事はまず100%不味い。
(5) ミールクーポンはトロントの物価からして明らかに額面不足で、同額以上手出しすることに。
(6) 何より、遅延で旅客に迷惑をかけたことに対し、エアーカナダ職員が絶対に謝らない。過去4回のトロント足止めで、一度もお詫びを言われたことがない。今回、エアーカナダの日本人地上スタッフ(40代女性)にそのことを言うと「え~、そうなんですかぁ?」と驚かれ、あげく「それはもう、1日早く出てもらうしかないですね~、アハハハ、、、」と言われた。対応としては最悪。
トロント空港(YYZ)の乗り継ぎ
機内預け荷物はバゲッジスルー、荷物を取る必要は無い。入国カードとパスポート、乗り継ぎ航空券を持ってトランジットカウンターでパスポートチェック。入国はせず、ターミナル内の長い通路を往復するのみ。
ターミナル内に喫煙場所はなく、乗り継ぎ時の一服は無理。免税店、軽食、スタバ等の店はあるが、カナダらしいものと言えばメイプルシロップ、スモークサーモン、I Love CanadaのTシャツくらい。買いたいものがない。
トロント一泊足止めの過ごし方
運悪くトロント一泊になってしまった場合、エアーカナダ手配のエアポート近郊ホテルに泊まったら最後、ただホテルに缶詰めになるか、退屈さに耐えられず市街地に出ていくしかない。空港付近のホテル周辺は、とにかく全く何もない。
特に困るのが冬場で、キューバへ行くつもりだから、かさばる防寒着を持ってない、または持って行きたくない。すると薄着で極寒のなか滞在となる。今回は11月末で夜の気温は-5℃だった。スーツケースに余裕がある人は、防寒着を持って行った良い。
今回、一度はエアーカナダ手配のホテルに向かうべくシャトルバスを待った。しかし-5℃の極寒のなか30分以上バスを待ったが来ず、寒さに耐えられなくなり、タクシーでトロント市街に向かい自分でホテルを取った。泊まったのはダウンタウンにあるEaton Chelsea Hotel。近くに中華街があるので、不味いカナダ料理を避けるなら、中華が無難な選択か。日本人がやっているラーメン屋などもある。
しかしダウンタウンに泊まったからといって、何かやることが大幅に増えるかというと、そうでもない。地球の歩き方「カナダ東部」編を見てもらうと分かるが、キューバを目指す人が行きたくなるような場所は、ほぼない。それでも部屋に缶詰めになるよりは、食事を選べるだけマシだ。
ちなみにトロントにもLa Casa del Habano がある。カナダの法律により店内禁煙のため、ラ・カサにもかかわらず葉巻は外でしか吸えない。冬場は寒すぎて、悪いがそんなところで吸いたくない。
ハバナの空港・入国手続き
キューバ入国に際し絶対必要なものに、ツーリストカードがある。 出発前に東京のキューバ大使館で発行してもらうことが可能(2,100円)。なお日本を出発時、成田空港や地方空港で航空券発券の際「ツーリストカードはお持ちですか?」と聞かれることがある。キューバ大使館で事前に取っておかないと入国できないという情報がネットでも散見され、また空港職員も同じ事を言ってくることが多い。しかしツーリストカードは、ハバナ─トロント便の機内で無料配布されるので、それに自分で記入すればよい。私も初めの頃こそキューバ大使館で発行してもらっていたが、毎回機内で配られるのでバカバカしくなって大使館発行はやめてしまった。
それともう一点、キューバ入国には海外旅行傷害保険の加入が義務づけられている。クレジットカードを持っていれば大抵付帯されているので、1週間以上余裕を持ってカード会社に証明書発行を依頼すれば事足りる。もちろん都度加入して、その書類を持って行ってもかまわない。
空港での入国手続きは他の国と特に違いはなく、入国審査→荷物受け取り→税関審査 となる。入国審査で、入国カード、ツーリストカード、パスポート、海外旅行傷害保険証書を提出する。パスポートにスタンプは押されず、ツーリストカードの半券を受け取る。これは出国時に回収される非常に重要なものなので、紛失しないように。先ほど必要と言ったが、入国審査の際の海外旅行傷害保険はノーチェックのことが多い。でもまれに確認されることがあるので忘れずに。
バゲッジクレームは荷物が出てくるのが非常に遅い。特に他の便と時間が重なっている時は1時間近く待たされることもある。
税関審査は成田空港と同じで、申告するものがあれば申告カウンターへ行き、特になければ通り抜けてかまわない。ただ、バゲッジクレームに荷物が流れてくる前に荷物のX線検査が行われており、パソコンが入っている場合、スルーしようとしても税関職員に止められることが多い。バゲッジタグに何か記号が書かれているようだ。
それとWifiルーターはキューバ国内に持ち込めない。
税関を通ったら到着ロビーに両替所(CADECA)がある。初入国であれば、ここでいくらか両替しておく必要がある。空港のCADECAは、日本円から旅行者用通貨である兌換ペソ(CUC)へ直接両替できる。
空港からホテルへ
日本からカナダ経由でキューバへ向かった場合、到着は必ず夜になるので、空港を出たら、まずは宿泊先のホテルかカサ・パティクラール(政府許可の民宿)を目指すことになると思う。空港~ハバナ市街のタクシー代は25~30CUC。チップは人それぞれだが、私はだいたい10%を目安に渡している。
通貨
キューバには2種類の通貨があり、旅行者が使う兌換ペソ(CUC)とキューバ国民が使うキューバペソ(CUP)がある。よほど地元向けの店に行かない限りキューバペソはお目にかからない。(ちなみに1CUC=24CUP)なので、キューバの通貨は兌換ペソ(CUC)と思って良い。為替レートはUSDと等価。
両替はCADECAでできるが、全てのCADECAで日本円から直接両替できるわけではない。私が定宿にしているMelia CohibaのCADECAは、日本円から両替できるので便利。
タクシー
一般的に、移動はタクシーを使うことになる。初乗り3~4CUC程度で、メータータクシーは安い。だがメーターの付いてないタクシーや、もぐりのタクシーも多くあり、日本より高い料金を言われることもあるので注意が必要。安心なのはCuba Taxiと車体に書かれている黄色いタクシーに乗ること。「メーターを回せ」といちいち言わなくても、まずメーターで行ってくれる。
他にタクシーで気をつけた方が良いポイントは、流しのタクシーが拾えないような場所に行って、タクシーを返してしまわないこと。帰りに困ったことになる。大通りでも意外に流しのタクシーはつかまえにくいので気をつけたい。
レンタカー
キューバのハイシーズンは秋~春にかけてだが、この期間は前もって予約しておかないと、かなり手配が難しい。料金はそこそこ高く、2,000ccクラス4ドアセダンで、1日120CUC程度。これには20CUCの保険代が含まれており、保険代のみクレジットカード精算が出来ないので現金で支払う。車はヒュンダイ、KIA、プジョー、アウディ、BMWなど、ある程度選べる。
レンタカーを借りた時ガソリンは満タンだが、満タン返しではなく空返しというシステム。その分のガソリン代満タンぶんを最初に支払う必要があり、前記クラスの車で98CUCだった。この代金は帰ってこないので、ガソリンを使い切らなければ損することになる。今回ピナール・デル・リオ経由でサン・ルイスのロバイナ農園へ行き、葉巻の買付で2日間ハバナ市内をそれなりに走ったが、半分近くガソリンを余らせてしまった。よほどの距離を走らないとガソリンを余らせてしまう。
なお、カーナビのシステム自体がキューバにはない。現地で売られている地図と、ネット接続なしでGPS現在地表示が出来るスマホアプリ必須。私はOffMapsを使っている。
クレジットカード
ホテルやレストラン、La Casa del Habanoではクレジットカードが使える。逆にこれ以外の場所では使えないと思っておいた方が良い。カードを使うと一律3%の手数料が加算される。使えるのはVISA、Masterで、AMEX、JCBは使えない。
治安
キューバの治安は、中南米のなかでは最も安全と言われている。私も危険を感じたことはない。ただ、スリや置き引きがゼロではないようなので、ハバナ旧市街などの観光客が集まる場所、特に夜などは注意した方が良いかもしれない。
あと街中で「コイーバ、コイーバ」と声をかけてくる怪しい葉巻売りに出くわすが、「いらない」と言えば、しつこくはつきまとって来ない。不安は感じないと思う。
偽葉巻
路上で声をかけてくる葉巻売りたち、彼らから正規品の葉巻はまず100%買えない。全て非合法な葉巻だと思って良い。だからといって完全な偽物かというと、そうとも言えない。正規品の横流しというケースもあるからだ。しかし完全なパッケージで横流しというのはなく、頑張って寄せ集めて作りました!…という出来のものが大半。
ちなみに、キューバ出国時に非正規の葉巻が税関で見つかると、没収となる。話のネタに買ってみようかという気持ちになるかもしれないが、お薦めは出来ない。
しかし、キューバ滞在中に吸うなら良いかもしれない。
携帯電話
日本の携帯電話は海外ローミングでほぼ問題なく繋がり、通話品質も問題ない。キューバの携帯電話会社は1社しかなく、キャリアの表示はCubacelとなる。
問題になるのはキューバ人から電話を受ける場合で、月給の平均が20ドル前後という彼らからすると、日本への国際電話は高額すぎる。したがって電話をかけてもらえない、連絡がうまく取れない、となる。
Cubacelのシムカードが簡単に買えれば良いのだが、レンタルはできても外国人が直接購入はできないと思われる。ただレンタルだと、毎回番号が変わるのが不便だし、日本から出発してハバナのホセ・マルティ空港に着く時間には、空港のCubacelが既に閉まっていて借りる手続きも出来ない。
結局、どうしてもSIMカードを手に入れたければ、キューバ人にSIMカードを買ってもらい、そのSIMカードをもらうということになる。しかしキューバ人はSIMカードを何枚も購入できないようで、「携帯はいらない」という人を見つけなくてはいけないのが面倒だ。私は今回この方法でSIMカードを購入した。30CUCのチャージで6ヶ月間有効、40CUCのチャージで8ヶ月間有効。この期間を過ぎると失効して使えなくなるので、この期間内に再度チャージする必要がある。
インターネット
キューバのインターネット事情は、非常に悪い。ホテルでもインターネットなしというところが結構あり、あってもロビーWifiのみだったり、1時間6~7CUCと高額。仕事やメールチェックでインターネット必須という方は、宿泊費が多少高くてもインターネットに繋がるホテルに泊まった方が、精神衛生上良いと思う。
私がMelia Cohibaに泊まるのは、日本円両替できるCADECAとこのインターネット接続環境があるからといっても良い。THE LEVELというクラブフロアに泊まると、部屋でWifi常時接続が無料で利用できる。しかし残念なことに、数時間~1日近くインターネットがダウンしてしまうことが希にあり、こうなるともうお手上げである。
ローミング携帯又はスマホのネット接続は、パケホ定額がないため使ったことがない。なおCubacelのSIMカードを持っていても、ネット接続は出来ない。電話とSMSのみ。
食事
かなり厳しい。キューバ料理というのはあるが、貧しい国ゆえグルメ文化などあろうはずもなく、日本食と比較すること自体ナンセンスという次元。しかし外国人向けレストランの中には美味しい店もある。今までで一番美味しいと思った店は、Rio Mar。創作イタリアン、フレンチといった感じの店だが、非常に美味しかった。値段は日本や欧米で食べるのと変わらない価格。
ほかに、料理はやや残念レベルだが毎回行くお気に入りの店は、Meson de la Flotaというタブラオ(フラメンコレストラン)。かなり本格的なフラメンコショーを見ながら食事ができ、スペイン好きな人にはかなりお薦め。旧市街のメルガデレス通り120番地にある。
ホテル
Hotel Melia Cohiba と Hotel Parque Centralにしか泊まったことがないので、お伝えできることは少ないが、どちらもキューバの中では良い方のホテル(五つ星クラス)に属する。しかし何かと物資不足のキューバにあるホテルなので、古い感じは否めない。日本国内の五つ星ホテルと比較すると安いと言えるが、設備の古さを考えるとそれなりに高いと感じる。
・スタンダードルーム、朝食付き、1室1名料金
Melia Cohiba 1泊 160ドル~
Parque Central 1泊 200ドル~
物価
外国人観光客向けの店は、欧米や日本と変わらない価格。GDPの低いキューバにとって、観光収入は重要な外貨獲得産業。よって欧米人中心の観光客にあわせて、それなりの価格設定となっている。タクシーが安いのは、旅行者が使える公共交通機関がないからだろう。主要幹線道路にはバスが走っているが、観光客が利用するのは難しい。
キューバ人の葉巻喫煙
キューバ人は葉巻を吸うが、皆が吸うわけではないようだ。吸っているのはHabanos S.A.のプレミアムシガーではなく、El Creditoという名前のバンドルシガー。これは市民向けのバーなどで販売されている。この葉巻、形は酷いものだが、味わいは間違いなくキューバ葉巻のそれである。
Habanos の葉巻工場で働く人たちは、リングを巻く前のプレミアムシガーを吸うことができる。またブエルタ・アバホのタバコ農園では、農夫の中にハウスシガーのローラーがいて、農園で収穫された葉を使ったハウスシガーが吸われている。これは農園ごとで結構味わいが異なるが、中にはプレミアムシガーに勝とも劣らない、素晴らしい風味のものがある。これらの葉巻はフルボディーが多いが、その強い葉巻の煙を全量鼻から吐き出している農夫を見ると、実に逞しい印象を覚える。
3月にキューバ旅行を予定している者です。
大変参考にさせていただいていますが、1つ質問させてください。
トロント~ハバナ間で無料配布されるツーリストカードは、カナダ人用であるいう情報もネットで散見されます。これは本当のことでしょうか。国籍に関係なく乗客全員に配られるものなのでしょうか。
また、キューバに入国するまでに万が一ツーリストカードが手に入らなかった場合、ハバナ空港で購入することは可能なのでしょうか。
お答えいただけると幸いです。