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ブエルタ・アバホ タバコ葉生産の最新情報

2012年9月13~17日のキューバ現地葉巻買い付けの際、ブエルタ・アバホのタバコ葉農園を複数訪れ、プロダクトール(生産者)に取材を行いました。そこで、かなり気がかりな情報を耳にしました。

ちなみにブエルタ・アバホとは、キューバ産プレミアムシガーの原材料となるタバコ葉の、ほぼ全てを生産しているキューバ西部に位置するエリアで、3つの地区、ピナール・デル・リオ、サン・ルイス、サン・ファン・イ・マルティネスからなります。

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一方ハバナ市内にて、キューバ国内における葉巻小売価格の値上げが実施されるとの情報が飛び込んできました。今回のキューバ滞在期間中の出来事です。
値上げ幅は何と15%、もちろん値上げの理由は公表されていません。ただ、全店舗で一斉値上げをするには多少の準備期間が必要なため、滞在中に値上げが実施されることはありませんでした。しかし、おそらくこの記事を書いている時点では、既に値上げされていることと思います。

この値上げがブエルタ・アバホの農園から入手した気がかりな情報と、どうリンクするのか?

今ブエルタ・アバホで何が起きているかというと、答えは「大幅なタバコ葉の減産」です。しかもこれは計画的に行われているのではないというのです。どれくらい生産量が落ちているのかというと、国営農場では何と約7割もの減産に陥っているのです。
ブエルタ・アバホのタバコ葉農園における国営と民営の比率は、8:2。つまり8割が国営の農園なのですが、そこでの生産量が30%にまで落ち込んでいるというのですから、これは軽く聞き流すことの出来ない状況です。

原因は何か、プロダクトール達の言葉を借りると、第一に政府のタバコ葉買い上げ価格が安いこと。そして、タバコ葉農園での労働が低賃金かつ重労働であることから、若い世代の働き手が減っていることだと言います。
政府の買い上げ価格はというと、100リブラ(=ポンド、つまり約45kg)で最高700MN(≒30CUC、つまりUS$30)、これはトリパ(フィラー)の価格です。45kgのタバコ葉が最高でも2,400円(2012年10月レート)程度にしかならないというのです。この買い取り価格は、国営でも民営でも同じです。
一方、農園で働く農夫達の賃金はというと、他の職業同様ですが1ヶ月にわずか20ドル前後。これはキューバにおいても、生きていくために必要最低限ギリギリの収入です。

では、ブエルタ・アバホにおけるタバコ葉の減産が、今後キューバの葉巻生産に、どのような影響をおよぼしていくのでしょうか?
葉巻のフィラー用タバコ葉は、通常1~2年の熟成期間を経てから葉巻工場で葉巻として巻かれます。すなわち、今のタバコ葉減産は1~2年遅れてボディーブローのように、葉巻生産に効いてくるのです。生産量を維持しようとすれば、品質の低下を招き、品質を維持しようとすれば、生産量の低下を招きます。熟成フィラーの充分なストックがあれば別ですが…。

昨年(2011年)の夏、ロバイナ農園で私がヒロシ・ロバイナと話したとき、彼はこう言っていました。「キューバ産葉巻が、もしアメリカで解禁になっても、増産には十分対応できるだけの土地が、まだブエルタ・アバホには充分ある」と。この話は事実でしょう。しかし、農地はあっても、肝心のタバコ葉生産に関わる農園夫たちが今まさに、伝統あるその職業から離れつつあるのです。

2011アワード受賞 HIROCHI ROBAINA

2012アワード受賞 HIROCHI ROBAINA

年に1度の葉巻の祭典「Habanosフェスティバル」では、色々な部門毎に、キューバ産葉巻のプロダクトに貢献した人々をたたえ、賞が与えられます。優秀なタバコ葉生産と農園経営をたたえ、2011年に続き2012年も、ヒロシ・ロバイナがタバコ葉生産部門のNo.1を受賞しました。当店では以前からロバイナ農園を紹介していますが、彼の農園は他の農園とは圧倒的に違います。祖父のドン・アレハンドロ・ロバイナから受け継いだ、タバコ葉生産への熱い情熱が今のヒロシを支えているのでしょう。しかし、そんな彼に続いていく若いプロダクトール達がほかにいないのです。

キューバでは昨年11月、自動車、家の売買が全面的に認められるようになりました。また今年からは、すべての業種において個人営業が認められるようになりました。キューバ革命以降、まるで時が止まったかのような50年間を過ごしてきたキューバが、今少しずつ、そして確実に変化し始めています。時を同じくして聞こえてきたブエルタ・アバホのタバコ葉減産のニュースは、私たち葉巻愛好家にとって今後どのような変化をもたらすのでしょうか。

何はともあれ我々は、ロバイナ農園で大切に育てられたタバコ葉は、全量がベガス・ロバイナに使われていることを思い出して、ヒロシの情熱に思いをはせつつ、ロバイナのシガーに火をつけることにしましょうか…。

Posted in キューバレポート and ベガスロバイナ農園 6 years, 11 months ago at 6:58 PM.

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