葉巻輸入統計から見る、日本での葉巻輸入動向

葉巻1kgあたり輸入価格推移グラフ

当店ではキューバ産に限定して葉巻を輸入販売しています。しかし、プレミアムシガーの生産国には他にも、ニカラグア、ホンジュラス、ドミニカ共和国、アメリカ合衆国などがあり、各国のシェアや消費量の増減、価格推移動向等についてはあまり知られていません。

そこで、財務省の統計情報から見る、日本での葉巻輸入動向についてご紹介しようと思います。

葉巻輸入量推移グラフ

上のグラフは、国別の年間葉巻輸入量推移グラフです。まずキューバ産に注目してみると、ここ10年間で大きな変化は見られず、2011年頃に2割ほど落ち込みがあるものの、概ね年間10トンの輸入量となっています。これを葉巻の本数に換算すると、ペティコロナサイズ相当なら約120万本になります。実際は、もっと大きなヴィトラの葉巻も多数あるので、本数としては100万本を下回っていると考えて良いでしょう。

一方、他国をおさえて断トツの輸入量を誇るのがアメリカからの葉巻です。2006年当時でキューバ産の約6倍の量があり、年々落ち込んできてはいるものの、2015年でも4倍近い輸入量となっています。

アメリカの最もメジャーなシガーマガジン「シガーアフィショナード」でも取り上げられることの多い、ホンジュラス、ニカラグア、ドミニカ共和国はというと、ドミニカ産が徐々に増えており2015年にはキューバ産の6割程度。ホンジュラス、ニカラグア産は10年間ずっとキューバ産の1割以下と、ごく限られた輸入量となっています。

アメリカからの輸入葉巻量が多くて驚きますが、実はそのほとんどがプレミアムシガーではなく、安いドライシガーです。では、各国の葉巻輸入価格はどれくらいなのでしょうか?

葉巻1kgあたり輸入価格推移グラフ

上のグラフは、輸入葉巻1kgあたりの輸入価格(ドル)です。あくまで上のグラフは税関申告の際の輸入価格なので、これにタバコ税、関税、消費税、地方消費税が課税され、輸入業者と販売小売店の利益を考慮した財務省認可価格が、実際の市場販売価格となります。

まずキューバ産についてみると、やはり圧倒的に他国産よりも輸入価格が高く、且つこの10年間ずっと値上がりを続け、10年間で約3割も輸入価格が上昇しています。2015年の輸入価格は葉巻1kgあたり570ドル程度ですが、これをペティコロナサイズ1本に換算すると、約5ドル(2015年の平均為替レート121円換算で約600円)です。これに16%の関税、1グラムにつき12.244円のタバコ税、そして消費税5%が上乗せされるので、840円が輸入仕入れ原価となります。こう考えると、ペティコロナサイズ1本1,200円程度のキューバ産葉巻がさほど割高ではないことがわかります。

では他国産はどうでしょうか?
ドミニカ共和国産はキロ当り300ドルと、キューバ産の約半分程度の輸入価格です。ドミニカ産にはダビドフをはじめとする、キューバ産に引けを取らない価格の葉巻も多いので、こうして見るとやや割高感は否めません。ホンジュラス、ニカラグア産はというと、キロ当り160~170ドルで、キューバ産の1/3以下の輸入価格です。ということは、販売価格もキューバ産の1/3以下ならプライスバリューがあるということになりますね。
そして最も安いのがアメリカ産です。キロ当り40ドル程度と、キューバ産の1/14以下という破格の値段です。アメリカ産ドライシガーには1本200円を下回る安い葉巻も売られていますが、これは元々の輸入価格がここまで安いからなんですね。

アメリカ産葉巻は、ちょっと番外編という感じでもありましたが、いかがだったでしょうか?
キューバ産葉巻の年間輸入量約10トンというのは、世界シェアの1%程度です。なのでHabanos S.A.は日本を非常に軽くしか見ていません。(シェアが無いので仕方ないですね) 出来ればこれを世界シェア5%くらいにして、Habanosから軽視されないくらいになれば良いと思うのですが、皆さんはどう感じられましたか?

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